親鸞<完結編>

9月末ころに読みました。
本つながりのYさん(子どもが同じ学年であるのですが)から、親鸞<完結編>が図書コーナーに入りましたよと知らせを頂いたのは、私は落ち込みに落ち込んでいるその時だった。

本を読む気持ちになんかなれない・・・と思いつつ、ありがたく借りに行きました。
彼女は「私は今別のを読んでいるから、先に読んでください」といって、わざわざ連絡してくれたのでした。

親鸞 完結篇上 (五木寛之「親鸞」)

五木 寛之/講談社

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親鸞 完結篇下 (五木寛之「親鸞」)

五木 寛之/講談社

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完結編というくらいだから、最後は想像できますが・・・。
五木寛之氏の「親鸞」は親鸞・親鸞激動篇がそれぞれ上下巻であって、この完結編は5、6冊目になる。

いつも彼の筆力に脱帽なのだが、「親鸞」という作品は、冒険活劇というジャンルがふさわしいと思っていた。
完結編は、冒険活劇という内容は、やや薄れて、「その後の親鸞と彼の周辺・・」という内容だった。
上下共に、肝心の親鸞の登場はかなり少なめ。
上巻は、親鸞の息子の善鸞の話、下巻は竜夫人という謎に満ちた豊満な中年過ぎの女性の話は中心だった。
竜夫人の話が、これまで著者が書いていた小説の中の親鸞が関わった人物や出来事の穴埋め的な働きをして、忘れかけていた最初のころの
「親鸞」に出てきた非常に個性的でいわくありげな人物たちの素生を暴きだし、スポットを当てる役割だ。

その辺りの話の展開はぬかりないなぁとこれまた感心したのだった。

親鸞の家族の様子なども丁寧に書かれていて、歴史の教科書では、「「親鸞ー浄土真宗」という組み合わせしか習っていなかったが、
だいぶ重厚にこの時代背景、この時代としての宗教の意味、そして単なる鎌倉新仏教のひとつの祖以上に人間味あふれる親鸞像をもつことになった。

この本を薦めてくれたYさんは、大学時代の専攻が中世の日本史なのだそうだ。
いい本を薦めてくれて、本当にありがとう。





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by 870498paqpaq | 2016-11-06 18:58 | 本の感想